シニアライフカウンセラー養成講座<中級A>の第5講は、「葬儀・遺骨の弔い方〜現状の問題点、新しい考え方〜」というタイトルで、株式会社 弘善社 代表取締役社長 太田弘文さんから。「1級葬祭ディレクター」の資格をお持ちだそうです。
<最近多くなった家族葬・無宗教葬のチェック・ポイント>
・流行だからと安易に考えていないか
・費用が安いと誤解していないか
・遺骨は最終的にどう弔うのか
・宗教のことを誤解していないか
「家族葬」は現在、全体の6割だそうです。なぜ「家族葬」ブームなのかというと、
① 同居していない弊害で、親の生前の活動、友人を知らない。
② 地域コミュニティの退化で、町内会の役割であるとか、町内会の高齢化があること。
③ バブル以降の不況の影響で、葬儀の横並び意識が、希薄になった。
ということがあるようなのですが、家族葬にはメリット、デメリットがあるというのです。
<家族葬のメリット>
・家族中心で暖かみがある。
・食事などの費用軽減
<家族葬のデメリット>
・香典収入が少ないので、ほとんど家族の持ち出しとなる。
・後日、いろんな方が弔問に来られて、対応に苦慮する。
・近所が対応に困る。
・故人のケータイにいつまでも着信が来る。
・知らせなかった友人、親戚に知らせるタイミングに困る。
「後日の弔問客」は確かに。父が「家族葬で」と言い残したのでそうしましたが、亡くなって1年後ぐらいまで弔問客がありました。かえって大変だったのでは、と思いました。
私は母の時には「家族葬」にしないと思います。
そうそう、親の友人については、「年賀状で把握」と言われていました。
家族葬のことを考える前に、遺骨の弔い方、さらにお寺との関係を考えてみることが必要、という話をされました。
お墓の継承問題もあるので、子どもたちが困らないように、生前の自分の意思を伝えることが大事です。
<家族葬で行う場合の留意点>
① さまざまな準備や配慮
・事前の家族間の話し合い(親戚などの根回し)…叔父、叔母の口出しが多い
・できれば本人の希望を書き残す
・知らせる人のリストも作る
・葬儀の内容もあらかじめ考えておき、葬儀社から見積もりを取る
② 周囲に知られたくないなら、それなりの工夫が必要
・新聞に掲載しない…「おくやみ欄」は自動掲載ではない。葬儀社が手配している。「掲載しない」か「葬儀終了後に掲載」にする。
・離れた葬儀会場を選ぶ
③ あえて先に知らせておくという方法もある
・親しい人達には、その時が来ても知らせないということを伝えておく。
・町内会などには家族だけで行いたいという通知をする。
④ 知らせなかった人への配慮
・亡くなったことを知らせる挨拶文は、「お知らせ」「お詫び」として、葉書か礼状の形で、49日をめどに出す。
⑤ 本人や家族の交際範囲が広い場合、急に亡くなった場合は、遺骨にするところまでは家族で行い、その後、期間をおいて「お別れ会」などを行うこともできる。
葬儀会場選定の要因
① 火葬場から近い…霊柩車等の費用軽減
② 駐車場が広い
③ ホスピタリティの良さ…控え室、ロビーの過ごしやすさ
④ その他…親戚の数によって多様(2、3人〜4、50人)
生前の準備として、トラブルにならないように「エンディングノート」などを活用して書面で残すとよいのは、遺族のあいだで意見が分かれた時に仲裁効果があるからだそうです。
また、身内がいない、ひとりの方は誰に頼むか決めておく。第三者と死後のことを契約しておくこともでとして、「死後事務委任契約」の例が載せられていました。
また、行政書士に頼むと、委任状が書けなくなっていても、保険会社の担当者同席で口頭委任ができるそうです。
子どもはどこで就職するかわからないので、私自身の「おひとりさま」の準備をしておこうと思いました。
画像は、講座近くの住宅地で見かけたラベンダー。