京都・寺町にあるギャラリーヒルゲートで、昨日から始まった「石母田ななみ展」に行ってきました。
夕方、少し時間が空いたので、急いで電車に飛び乗ったのです。
いえ、知った方ではありません。
先週、友人の個展に出向いて、次週この方の彫刻展が行われるのをチラシで知って、作品に会いたくなったのです。
チラシの上部に小さく載せられていた「希求&予感」という作品。
壁から抜け出そうとするかのような女性の半立体。
実際に会ってみると、等身大の大きな作品でした。
左足を一歩前に、駆け出すかのような少女像に爽やかな風を感じました。
「編む」と題された、腰掛けて編み物をしている少女像の前に立った時も、透明感のある風が吹いてきた。
年若い女性をイメージしていたのだけど、石母田さんは、ちょっと年配の女性でした。
そもそもは絵を描いていらっしゃたそうな。
略歴には「デザインの仕事をする傍ら、炭坑のスケッチに通う。ボルネオ島、イラン、バングラデシュに滞在、取材」とあります。
ああ、そうか…「1999・10〜2002・3 京都教育大学彫刻研究室研究生として学ぶ」とあって、だから、年若い、と思ってしまったんだ…。
リカレント的に、もう一度学び直されたのね。
色のことを言われていました。
ブロンズなどが「王道」なのだそうですが、彼女は、別の色を塗ることで表現したいのだそうな。
陰影が出来たときに、形が沈んでしまうことを嫌われているようでした。
…それは、そうだ、と聞きながら思いました。
形が沈むと重くなって、風が吹かないじゃない!
彼女が表現したいのは、その存在の「空気感」なのではないか? …穏やかで暖かく、そして決して重くない空気感。
ああ、今やっと、そんなことが言葉になってきたのだけど。
個展会場では、ご本人を前にしていたのに、まだ言葉にならなかった。
今度お会いしたら、あなたが色にこだわるのは、その存在の「空気感」を表現しようとしてではないですか? と聞いてみよう。
今回、私は、小さなテラコッタを買い求めました。
カウンセリングルームの壁に飾れたらなあと思います。