2日目は、ちょっと早めの9時半始まりで。
チェックイン時に、昨日のワークの質問受付もあって、
そこから見えてきたポイント3点のレポートから始めたいと思います。
<チェックイン時の質問から>1 ゲシュタルトでは「どうして」と問わない。
フェルデンクライスでは、たとえば「どうしてそれが心地よいとわかるのでしょう?」と問うたりするけれど、動いていることに意識を向け続けるので、そう問うても思考にいかない。
2 フェルデンクライスの1レッスンは45分以内。
3 呼吸は、「意識しても変わらない」「意識して変わる」両方の面を持つ。
次に、ゲシュタルトのワークを行いながら、それにどのようにフェルデンクライスを取り入れるのか、を見せてもらうためのワークが行われました。
ワーカー希望者が多い中、なんと私はジャンケンで一番になりました。
「どんなこと?」と問われて、「肩から首にかけて痛い」と言いました。
「そこを意識して」と言われ、意識していると、家族のことが浮かびました。
「…妹のこと、母のこと、息子のこと。」
そう言うと、ももちゃんは、「妹のこと、と言ったときと、お母さんと息子の時と、違ってたね?」
「え?」「妹のこと、と言ったときは顔を上げていた。お母さんと息子の時は目線が下になっていた。…何が違う?」
「…妹には、これからまだ、立ち向かわないと、と思ってるから。」
そう言って、ああ、やっぱり妹のことが出てきたか、と思って、ちょっと私は逡巡した。DVDにするためのカメラが回っていたから。
そんな私をももちゃんは見逃さなかった。「何か気になる?」「あ、カメラが回っているから…」「カメラは止めてもいいんだよ。」
でも、ゲシュタルトは、いろんな「事情」を話さなくてもワークは進むことを私は思い出した。
「いい。大丈夫」「じゃ、妹を思い浮かべながら、肩を意識して。」
「あ、喉が詰まっている」「呼吸を止めていること、わかる?」
そう言われて、確かに私の呼吸が止まっていることに気づいた。
「妹のことを考えると、呼吸を止めていたんだよ。」
ああ、そうか、と思った。
そうして、そのことに「気づく」と喉の詰まりは取れ、肩の痛みは和らいだ。
「…どう?」と問われ、私は苦笑いしながら答えた。
「…悔しいけど、楽になった。」
よし!とももちゃんは言って、ここでワークは終了となりました。
もうひとり、ワークを行って、それから解説がありました。
人は我慢するとき、呼吸を止める。我慢した記憶は、人や場面に依っている。
そして、その動作をしている限り続くから、「動作」と「記憶」を切り離す。
昼休憩を挟んで、午後からは3人一組でワークを行いました。
ワーカー、ファシリテーター、オブザーバー役。
ワーカーは10分間、自分の子どもの頃の、楽しくない記憶を話す。
ファシリテーターは、話を聞いたあと、肩甲骨と鎖骨に手を当て、呼吸をサポートしてからもう一度先ほどの話に戻す。
そうして、どんな風に感じるかを聞く。
私がワーカーの時、話したのは小学校3年生の時のこと。
母はテストで100点取ったら、ちょっと美味しいプリンを買ってあげる、と言った。
子どもだから、美味しいプリンはほしいけど、何か違うと感じた。
テストは頑張るけど、プリンをご褒美にされるのは違うのではないか。
そう思ったけど、うまく言えなかった。ただもやもやしたものが残った。
そのあとファシリテーター役の人に手を当てられて。ゆっくりと呼吸して。
そのあと、気持ちを聞かれたけど、「まあ、いいか。しょうがないね」と答えた。
オブザーバー役の人の観察が凄かった。
最初、私は母のことを言いながら、口をとがらせていたらしい。
そして、苦笑いしながら溜息交じりで話していた、と。
それが、呼吸をサポートされたあとは、表情が変わった、と。
苦笑いではなく、本当の笑顔になった、と。
…そうか…。そんな劇的変化を遂げていたのか。
まあ、肩甲骨に手を当てられて、それから鎖骨に指を添えられて、
話しているうちに激してきた私の気持ちを、どうどうどう、となだめられている気がした。
ゆっくりと、温泉にでも浸かっている気がしてきて、まあ、しょうがないね…と気持ちが落ち着いてきた。んだけれど。
以下は、ももちゃんの解説。
記憶と姿勢は結びついている。
本人は、記憶に気が行っているので、姿勢には気づかない。
記憶と今の姿勢とを切り離す。
その時に起きている緊張をほぐす。
チェックアウトの時に、ワークの最後に「…悔しいけど」と言ったことを思い出して。
なんか、前にも言ったような…と考えてたら、そうそう、3月の琵琶湖畔のSV合宿の時のワークでも言ったような、と。
それにしても、なんで「悔しいけど」なんだろう? と思いを馳せて…、
自分の身体なのに、ももちゃんの方が良く分かっているのが、悔しいんだ、と思い至って。
それを言ったら、ももちゃんから「自分の身体だと思ってるだけで、違うんだよ」と言われ、
「え?!」とドギマギして、混乱した。「冗談だよ」と言われ、からかわれたんだと気づいた。
…まあ、ヒドいねぇ、ももちゃん。いたいけな私をからかうなんて。
でもまあ、私も「いたいけな」歳でもないんだけど。
師匠の前では、幼児のようになってしまう、部分も発見した。
豊かな時間でした。
第2弾は? という声も上がって、次回は来年6月だそうです。
画像は、京都の北村檀さんと、一緒に撮ったももちゃん。
北村さんは、TAの指導インストラクターですが、「もち料理 きた村」の女将さんでもあります。