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京都文教コラージュ療法研究会(2)

2017/02/28
京都文教コラージュ療法研究会(2)
一昨日の続きです。午後からはスクールカウンセラーをされている方の「言語でのコミュニケーションが難しい女子との面談ーコラージュを取り入れてー」というタイトルでの研究発表でした。「言語でのコミュニケーションが難しい小学生高学年の子どもとの面接にコラージュを取り入れることで進展が見られた。事例経過についてコラージュ作品をもとに検討したい」というのが、この研究発表の目的として提示されていました。

事例として、ひとりの女子生徒の小学校高学年から中学校2年現在までの4年間の詳細なやりとりの記録が出されました(研究発表後回収)。コラージュに至るまでの取り組みの中で、「スクイグル」「風景構成法」があって、「スクイグル」というのが私には聞きなれない用語だったので、発表を聞きながら急いでタブレットで調べました。

スクイグル(squiggle)ドナルド・ウィニコットが提唱した、治療者とクライエントとが交互になぐり描きをして、見えたものを絵にする技法。なぐり描きと描画をクライエントひとりで行うスクリブル法(scribble)もある。

と出ていました。ふうーん、そんなものがあるのかと聴いていましたら、森谷寛之先生のコメントは「スクイグルを日本に導入するときに、きちんとウィニコットの意図も含めて導入できていない点がある。治療者とクライエントとが交互になぐり描きをするといっても、治療者は思いつくままになぐり描きをするわけでなく、治療者側はクライエントの意図を読み取って、それに沿う方向でなぐり描きをしてみせるわけで、そういった高度な分析を必要とする、難しい手法なんです。」とのこと。

形、形式はすぐに取り入れられても、その手法を考案した人の、本来の意図まで含めて導入できているかどうか、というのは大切なポイントだと思います。

中学生になったクライエントのコラージュに、モデルのような綺麗な女性の顔を切り抜いたものから、目や口をくり抜き、ちょっと不気味なお面のようなものが出てきました。自画像、というかこれから先の、目指す自己像が描けなくて混乱している様子がうかがえました。その他、魅力的な女性の全身像もコラージュに登場しました。森谷先生のコメントは「コラージュは、クライエントが思春期に入ったかどうかの判定に敏感である」とのことでした。

既成の写真を切り抜いて好きに貼るだけのコラージュですが、本当に、何をどう選ぶかで、その時のその人の精神状態が如実に出てしまいます。一枚の画用紙という空間を構成するのに、絵で上手く表現できない人でも自分の世界を表現することができるという点で、非常に優れた表現法だと思います。表現するだけでも、本人の気づきが生まれることもあるでしょう。コラージュ療法は、そういったコラージュを入り口にして治療に応用できる点で優れた療法だと思います。

研究会には初めて参加したのですが、コラージュ療法のことだけでなく、多くのことを考えさせられる機会となりました。


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