2020年12月9日の「折々のことば」。
この国はものすごく貧しいよ。とっても貧しいんだよ。
辰巳芳子の言葉。
鷲田清一の解説。
低い食料自給率、とくにたんぱく源が十分に調達できないこの国の食の基盤の弱さを、戦時中より今日までずっと骨身にしみて感じてきたと、96歳の料理家は言う。
一つ事が起きれば供給が断たれるような脆(もろ)い構造をそのまま次世代に手渡すことはできないと、大豆を育てる運動を始め、調理法の基本を今も伝授する。
朝日新聞デジタルでのインタビュー(10月12日配信)から。
辰巳芳子さん。
お名前に記憶がある。確か…料理のし始め、スープの作り方の本を買ったような。
体調を悪くしたとき用に、身体にやさしい食べ物の作り方を知っておこうと考えたのだ、と思う。
きちんと出汁を取ってスープを作る、ことを正式に教わった事がなかったので。
身体が弱って、何も受け付けない時でもスープなら大丈夫な気がしたから。
昆布や鰹節から取る出汁は、その後そんなに頻繁には出来なかったけど。
ついつい、「出汁の素」とか。
顆粒は使わなかったけど。私は出汁パックを常用した。
だけど、きちんと取った出汁は、滋養に溢れていることを私は知っている。
…身体の隅々にまで染み通るような、味。
細胞のひとつひとつが喜ぶような、味。
懐かしいお名前を見つけて。
そうか。そんな活動をされてきたのか、と知った。
大豆たんぱく。
そうね。味噌にも醤油にも、豆腐にも。
40年来の友人が、毎年味噌を仕込む、のに感心している。
いつか私も…と思いつつ、始めていない私。
「いつか」は常に「言い訳」に転落する、と知りつつ。
「言い訳」にしないために、早く「自分の台所」を確保しよう、と思う。
母と暮らしていたときには、台所は母の台所で。
そして、今の住まいには調理台がない。…しかし、これも「言い訳」だなあと思う。
何もかもが揃っていないから何もしない、というのは。
日常を丁寧に暮らす。
暮らしをきちんと整える。
それがないと、足元が崩れる、気がする。
足元が崩れたままのこの国を辰巳芳子は「貧しい」と言う。
そうか。そうね。
身体の基本は「食」。
「食」の基本はたんぱく源。
人の身体はたんぱく質で出来ているのだから。
足元を見直す生活を始めようと思う。
画像は昨日作った「スノウスワッグ」。
季節の花を束ねて壁に飾る。
そのままドライフラワーになっていく過程を、毎日見ていこうと思います。