私が生まれて初めて自分で絵本を買ったのは、高校3年生の秋。
参考書か何かを探しに書店に行って、店頭で見かけたモーリス・センダックの『そんなとき なんていう?』の表紙の絵が、なんだかすっとぼけていて、思わず手にとって開いて見たのでした。
ちょっとふつうではありえない状況設定が示されて、で、「そんなときなんていう?」と問いかけられるのです。
でもその答えは「ありがとう」とか「ごめんなさい」とかごくごくありふれた言葉なので、そのギャップの面白さに魅かれて、つい買って帰ったのでした。
高校3年生で絵本を?!と家族は不審がったのですが(受験勉強がたいへんなの? といった反応)、でもそれが、私が絵本に目覚めた出会いでした。
あんまり書くとネタバレで、読む気をなくさせてはいけないので、この辺で。