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イマジネーションの翼〜八木幹夫の詩「きゅうり」〜

2017/04/26
イマジネーションの翼〜八木幹夫の詩「きゅうり」〜
今朝目覚めた時に、急に「もしかすると、そろそろキュウリが恋しくなるかも⁉」なんて思ってしまって(昨日の日中気温が上がって、暑かったせいかもしれない)、「お目覚め早々、食べること?」なんて自分でツッコミ入れながら、そういえば「きゅうり」なんていう、ちょっと不思議な詩があったことを思い出し、「読書への誘い」を見てみました。第41号に取り上げていました! でも第41号はまだ紹介していなかったので、慌てて更新して…。「それにしても、次に紹介するのが第41号だったなんて…。とってもタイムリー!」と思いながら、今これを打っています。…あ、それとも、「きゅうり」が私を呼んだのかな?


            「きゅうり」 八木 幹夫

 

きゅうりのつるはどっちまきだか知っている?

知らない

左巻き それとも 右巻き?

どっちでもいいことばかりいってるのね あなたって

地球の引力や磁力と関係あるのだろうか?

みどりのかなしい夢からさめて

つかめるものは

藁(わら)をもつかみ

ぼくの引力圏の夢から消えて

こいびとよ

きみはどこへいったのか

空にむかう

支柱もなくて

日照りにやかれ

地を這(は)いまわる

きょうはじっくり

冷静に

きみのことを考えてみるよ   

      (詩集『野菜畑のソクラテス』1995年刊)



紹介した当時は、詩人について調べてなかったのですが、ちょっと気になって検索かけたら「95年、詩集『野菜畑のソクラテス』で現代詩花椿賞、芸術選奨文部大臣新人賞受賞」とありました。で、どうやら長年中学校の教員をされていたようなのです。1947年生まれで、「父の死後、10年間作品を発表せず」とありました。1983年に第一詩集を出されて、次は1995年の『野菜畑のソクラテス』なのですね。

 

きゅうりのつるの巻く方向にふと興味を抱いた詩人が、側にいる奥さんらしき人に聞いてみるのですが、素っ気ない返事しかもらえず、…そうすると、詩人の意識は、日常から離陸して、限りなくイマジネーションの世界へと飛ぶわけですね。

 

「みどりのかなしい夢からさめて/つかめるものは/藁をもつかみ」。「みどりのかなしい夢」って何だろう? …ともかくも、「ぼくの引力圏の夢から消えて」しまうのですね。「きゅうり」が想像の埒外に飛び出てしまって、追いつけないってこと? …これはもう、妄想、だね。だって、「きゅうり」が「こいびと」になっちゃってる…。

 

で、いったいどこまで行くの? と思っていると、「きょうはじっくり/冷静に/きみのことを考えてみるよ」と、着地する。なんだか滑稽。なんだか笑える。…いったい何が?

冷静になって「考え」たところで、つるの巻く方向は変わらないだろうし、「空にむかう/支柱もなくて/日照りにやかれ/地を這いまわる」のは、詩人の勝手な妄想だし、…となると、考えても考えなくてもいいようなことに、大真面目に「考えてみるよ」なんて、その辺りが、「可笑しい」のでしょうか。

 

私はこの詩をどこから探してきたのでしょう? もう記憶も定かでないのですが。八木幹夫の詩は他に読んでないので、今から詩集を探そうと思います。

 

それにしても、この詩のカットはピッタリですね。…当時カットを描いてくれた倉本清香さん、元気にしているでしょうか?


画像は、朝の杏樹(アンジー)との散歩で見つけた、ご近所の外壁の飾り。

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