「空をかついで」 石垣 りん
肩は
くびの付け根から
なだらかにのびて。
肩は
地平線のように
つながって。
ひとはみんなで
空をかついで
きのうからきょうへと。
子どもよ
おまえのその肩に
おとなたちは
きょうからあしたを移しかえる。
この重たさを
この輝きと暗やみを
あまりにちいさいその肩に。
少しずつ
少しずつ。
(詩集『略歴』1979年刊)
子どもに伝えるものは、いいものばかりとは限りません。
温暖化による異常気象も、原発のプルトニウムも、「そんなの、いらないよ」と言われそうな負の遺産です。
「輝き」と「暗やみ」と。
悪いね、背負っておくれ、と。
背負うおとなのひとりとして、「輝き」はたくさん、「暗やみ」はできるだけ減らして、と思うのは、子どもの無邪気な笑顔が、あまりにも無防備におとなを信じている瞳が、胸を刺すからでしょう。
自覚しないでいると、人は自分がされたことを、自分のやりやすいように繰り返す。
叩かれたなら、叩きやすい人に叩く。
決して、叩いてきた人に叩き返さない。…怖いから。自分より力がありそうだから。
それを「連鎖」と言います。
親に叩かれて大きくなった人が、自分の子どもを育てるときに、気づいたら叩いていた…というのは、よく聞く話です。
叩かれた自分をきちんとケアしておかないと、自分の子どもも「守ってやらなければならない存在」と頭では分かっていても、泣かれたり、言うことを聞いてくれなかったりすると、まるで「暴君」のように感じられて、「もう、やめてよ!」とバシバシ手が出ていたりする。
小さな子どもと同じレベルで、自分の中の「インナーチャイルド」が暴れ出す。
どうすれば、いい?
もっと優しいお母さんでいたいのに。
まずは、ね。叩かれて辛かった子どもの頃のあなたを癒してあげましょう。
怖かったね、嫌だったね。でも、あなたが悪いわけじゃない。
「悪いこと」をしたとしても、あなたは、そんな風に叩かれたりしなければいけないほど「悪く」ない。
だから、酷いよね。そんなに叩いたりするなんて。
そうやって、子どもの頃のあなたを慰めてあげて、それが充分満たされたら、変わっていきます。
ひとりで難しければ、お手伝いしますよ。
無理なく、ゆっくりと。
Nさん、元気にしていますか?
子どもを叩かなくなった、と嬉しそうに言っていましたね。
最後のまとめのカウンセリングを受けていただけなかったので、ちょっと気に掛けています。
4回のカウンセリングで変われたことはどんなことで、まだ残っている問題は何か、それにいつ取り組むか、それとも置いておくか、といった「整理」をして一区切りにしたかったのです。
それはあなたにとって必要なことだと思ったので。
ですが、その「確認」自体が、あなたにとっては負担に思えたのかもしれませんね。
あなたの背負うものが大きいので、ひとつ、またひとつとクリアしていったらいいと思うのですが。
まずは、子どもを叩かなくていい状態になって良かったです。
あなたの背負うものが気になって仕方なくなったら、また連絡くださいね。
気にならなくなったら、それはそれでいいのです。
そういう「解決」もあります。正面から向き合うばかりが「解決法」ではないのですから。
あなたが穏やかに日々を過ごせていますように。
カウンセリングルーム 沙羅Sara
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