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  1. コラム
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沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム

沙羅 Sara の「ほっと一息」コラム
日々の暮らしの中で、ちょっと気づいたこと、ほっと一息つけるようなことがらをコラムとしてまとめました。
あなたの「お役立ち」になるかどうか、心許ないですが、興味を持った「カテゴリー」から読んでみてくださいね。

カテゴリーごとに選べます。
選択
人とのつながり
2017/01/27
Yくん  
Yくんは、私が教諭採用なって初めて勤めた高校の卒業生です。なぜこんなややこしい言い方をするかというと、授業を受け持ったことがないからです。

卒業式が終わったあと、私と話がしたいと職員室に来て、初対面のYくんと1時間余り話をしました。何を話したか覚えていないので、他愛もないことだったんだと思います。
当時は、個人情報という意識もない時代だったので、卒業アルバムに卒業生の住所も職員の住所も、記載されていました。

Yくんと会ったのも話をしたのも、そのとき限りだったのですが、彼はそれから毎年年賀状をくれるようになり、結婚し、子どもが生まれ、その子たちが大きくなるのを年賀状の家族写真で知ることができました。

昨年2月、突然Yくんから連絡が来て、九州に出張するから、会って貰えるなら、広島で途中下車すると言うのです。
びっくりしたけど、まぁいいか、と思って29年振りに会いました。

翌日は、車で奈良まで引越し荷物の一部を運ぶ予定にしていたので、奈良まで一緒に乗っていく? と聞いたら、いいんですか? といいながら助手席に乗って、6時間ほど、よもやま話をしました。

私が運転して間も無く「先生、男前な運転されますね〜」なんて言うから、「え?それ褒め言葉なん?」「え?そうですけど…」「男ってそんなにいいものなん?」「えええ? あの〜、パッパと判断早いから…」「いや、そういうことを意味してるって分かってるけど、女が判断力ないことが前提でしょ?」「……」「いや、ごめんごめん。ちょっといじめたくなっただけよ。」とからかいながら、ずっと話をしていました。

Yくんは一人っ子で、両親の重い期待を背負いながら生きてきたこれまでを語りました。

なんだ、私と同じじゃない!と言いながら、なんでこの子(もう47歳のおじさんになっていましたが)が29年間、年賀状を出し続けてくれたのか、それは今、こんな話をするためだったのかと思うと、本当に不思議な気がしました。

京都文教大学で授業を受けて、知ったことのひとつに、ユングの「コンステレーション」の考え方があります。「布置」と訳され、「意味ある偶然の一致」を意味します。星がある形をとって星座を成すように、ピタッとはまることで、動きが生じたり、問題が解決したりすることです。…それは、偶然のようでいて、必然であるととらえるのです。

Yくんとは、そういう出会いだったんだ…。
これが今後、何に繋がっていくのかと思うと、長く生きるのも悪くないなぁと思ったことでした。

谷川俊太郎の詩
2017/01/26
言葉遊びを楽しむ〜谷川俊太郎の詩「いるか」〜  

        「いるか」      たにかわしゅんたろう

いるかいるか
いないかいるか
いないいないいるか
いつならいるか
よるならいるか
またきてみるか

いるかいるか
いないかいるか
いるいるいるか
いっぱいいるか
ねているいるか
ゆめみているか
        (『ことばあそびうた』)
続き
詩の世界
2017/01/25
まだ、翔べるだろうか〜佐伯祥の詩「雨のち…」〜  
  
       「雨、のち…… 」             佐伯 祥

 失くしたわけではないのだけれど
 いや、それより 最初っから
 あったかどうかも さだかでないのだけれど

 とにかく 気づいたときには
 なかったのだ 翼が

 急いで 急いで!
 でないと 君を放っていってしまうよ

 そんなふうに
 風は私を追い越していった
 戸惑う気持ちなど
 てんで お構いなしに

 あとには ひとにぎりの とおり雨

 その最後の一滴を受け取ろうと
 スキップ気分で駆けだしたら
 足許の水溜まりに
 逝(い)ってしまったものたちの 翳(かげ)が
 映ってた

 ふと 見上げると
 雨上がりの 流れゆく雲の隙間から
 抜けるように 青い
 空

 まだ、翔(と)べるだろうか
          (「詩芸術」1984年7月号)
続き
絵本の世界
2017/01/24
長田弘 詩・いせ ひでこ 絵『最初の質問』  

 

   「最初の質問」    長田 弘

 

 今日、あなたは空を見上げましたか。空は遠かったですか、近かったですか。雲はどんなかたちをしていましたか。風はどんな匂いがしましたか。あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。「ありがとう」という言葉を、今日、あなたは口にしましたか。

 窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。雨の雫(しずく)をいっぱい溜(た)めたクモの巣を見たことがありますか。樫(かし)の木の下で、あるいは欅(けやき)の木の下で、立ちどまったことがありますか。街路樹(がいろじゅ)の木の名を知っていますか。樹木(じゅもく)を友人だと考えたことがありますか。

 このまえ、川を見つめたのはいつでしたか。砂のうえに坐(すわ)ったのは、草のうえに坐ったのはいつでしたか。「うつくしい」と、あなたがためらわずに言えるものは何ですか。好きな花を七つ、あげられますか。あなたにとって「わたしたち」というのは、誰ですか。

 夜明け前に啼(な)きかわす鳥の声を聴いたことがありますか。ゆっくりと暮れてゆく西の空に祈ったことがありますか。何歳のときのじぶんが好きですか。上手に歳をとることができるとおもいますか。世界という言葉で、まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。

 いまあなたがいる場所で、耳を澄(す)ますと、何が聴こえますか。沈黙はどんな音がしますか。じっと目をつぶる。すると、何が見えてきますか。問いと答えと、いまあなたにとって必要なのはどっちですか。これだけはしないと、心に決めていることがありますか。

 いちばんしたいことは何ですか。人生の材料は何だとおもいますか。あなたにとって、あるいはあなたの知らない人びと、あなたを知らない人びとにとって、幸福って何だとおもいますか。時代は言葉をないがしろにしている--あなたは言葉を信じていますか。

   (詩集『小道の収集』・講談社・1995)

長田弘の詩にいせひでこが絵を描いて、絵本となりました。
「読書への誘い」の第13号で紹介した詩です。

日常に追われていると、つい空を見上げることさえ忘れていることがあります。
空がきれいだな、とか、風が心地よい、とか、木々の季節の変化にも気づかなかったり…。
この詩は、そんな、日常をおろそかにしている自分の状態に気づかせてくれます。

いせひでこの柔らかな絵がまた広がりを持って、ひとつひとつの質問を際立たせてくれます。
ゆっくりと自分に問いかけるのに、1ページ1ページ、めくっていく、というのはちょうどよい速度だと思います。

「あなたは言葉を信じていますか。」が最後に来るのは、長田弘が詩人だからだと思います。
絵を描く人だったら「絵を信じていますか」、音楽が表現手段である人だったら「音楽を信じていますか」になるのでしょう。
…あなたは、何を信じていますか?

詩の世界
2017/01/23
見つけたときは、ちょっとびっくり!でした。本当に階段状になっていて、昇って降りて、一番てっぺんで、ちょっと周囲の眺めを楽しんでいるような…。

出典も何もわからないのですが、こんな風に視覚的に楽しめる詩があってもいいな、と。

4行目と14行目の傍線は、PDF化するときに、どういうわけかずれてしまって下に来ていますが、本当は最後の文字の「よ」の横につけてあったものです。2カ所、対照的に下線部分があるのも、ちょっと珍しいですね。

とりあえず、「だん」で脚韻(言葉の最後の音を揃える)を踏んでいます。「読書への誘い」第15号で紹介したものです。
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