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わからないということに慣れる練習〜折々のことば・鷲田清一#2012〜

2020/12/04
わからないということに慣れる練習〜折々のことば・鷲田清一#2012〜
2020年12月3日の「折々のことば」。

勉強っていうのは、わからないということに慣れる練習をしているんだ。

玄田有史(ゆうじ)の言葉。

鷲田清一の解説。

勉強して将来何か役に立つことってあるのかと、ある中学生から質問された労働経済学者はこう答えた。
作戦や戦略を考えてうまくいくのは社会の筋道がよく整備されている場合だけ。
実際の社会はもっともつれ、つかみどころがない。
スポーツや演奏と同じで、「まだよくわからない」ともがきつつも、そのわからなさを面白がる中に道は開けてくると。
『希望のつくり方』から。


う〜ん、わからないということに慣れる練習、ね。
「言い得て妙」だな、と思う。

「問題」を解く過程で試行錯誤する。
ああでもない、こうでもない、と。
やっと「正解」を引き出した時のスッキリ感。
特に数学なんか。

高校生の時。
あまりに数学ができなくて。
大学生のお兄ちゃんに勉強を見てもらったことがあった。

スルスルと見事に数式ができていく。
「ほら、綺麗でしょ?」
そうか。数式は美しいんだ、と初めて知った。
そして、数学は「美しく」解に導くみちすじを追求するんだ、と知った。
解へのみちすじがいくつかあったとしても。
どれが、一番美しいか。

お兄ちゃんは、単に楽しく「問題」を解いているだけ、だったけど。
私は魔法のように展開される数式を眺めながら、
ああ、そうか。世界がこんな風に表されるなら。
それはそれで「美しい」世界かもしれない、と思った記憶がある。

お兄ちゃんは今、東京大学で物理を教えている。
その後の交流はないので、私のことは覚えてもいないだろうけど。
私は、一応は少し数学が解けるようになって、私学受験の際には社会科ではなく、数学で受けるようになった、けど。

一流の人、というのは、世界がどんな風に見えるか、を垣間見させてくれる人、かもしれない。

しかしそれは「類い稀な」ことで。
いったいそれが何を意味するのか、がわからずにいることが多くて。
私の数学理解にしても、いまだに「対数」や「行列」が意味することがわからなくて。
公式を覚えたら「問題」は解けるけど、その意味するところが分からない。
何のために、そういったものが生み出され、この世のどんな領域で「役に立つ」というのか。

大学に入って、一般教養で「集合論」を取ったら、これまた訳のわからない世界で。
高校までで習っていたのは「ユークリッド幾何学」。
「集合論」は「非ユークリッド幾何学」だそうで。
ついていけなくて、挫折した。
数学はどこまでも抽象的な世界だった。(ある意味、ファンタジーの世界か? と思えた。)

最終的には「わからなくても生きていける!」と投げ出した。
残ったのは、「私には、どうしても分からない世界がある」という認識。
でも、今思うと、そういう認識は大事な気がする。
何もかもが分かっている、訳ではない世界で、ピースが揃ってない状態で、生を営む。

完璧には理解できない世界で、その時々の「精一杯」を積み重ねる。

自分なりには、以前よりは「わかる」状態を作るため。
そうして、自分なりに、その時々の「最善」を尽くすため。

それでいいのだ、と今思う。

画像は、朝のアンジーとの散歩で見かけた、生け垣の山茶花(さざんか)。
ひっそりと、でもしっかりと、存在感を放っておりました。

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